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英国、太陽光パネルやヒートポンプの導入に低金利融資 条件と費用を解説

政府支援の融資制度には無利子または金利を抑えた商品がある。10の金融機関が参加し、実際の節約額は住宅と借り入れの総費用によって変わる。

屋根に太陽光パネルがあり、ヒートポンプを備えた英国の住宅のイメージ画像。
英国の住宅に太陽光パネルとヒートポンプを設置した様子を表すイメージ画像。 AI生成の参考画像

英国政府は27日、住宅向けのクリーンエネルギー設備を導入する費用について、政府が支援する新たな融資制度を始めた。太陽光パネル、蓄電池、ヒートポンプなどが対象で、無利子の融資と、通常より低い金利の融資が用意されている。設備を導入すれば光熱費を抑えられる可能性があっても、まとまった初期費用を払えない世帯は多い。融資はその負担を数年に分ける仕組みであり、設備が無料になるわけでも、すべての住宅で同額の節約が実現するわけでもない。

「ウォーム・ホームズ・ローン」と呼ばれる制度は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの住宅所有者が利用できる。第一段階には10の金融機関が参加し、それぞれ独自の信用審査と貸付条件を設ける。借り入れを検討する際には、毎月の返済額、支払う利息の総額、返済期間を、その住宅で見込める光熱費の削減額と比較する必要がある。

導入時のまとまった支出を分割できる

英国のエネルギー安全保障・ネットゼロ省は、最初にまとまった金額を払わずに設備を導入しやすくする制度だと説明する。政府の案内によると、融資の一部は無利子で、通常の同種のローンより金利を抑えた商品もある。返済期間が最長30年となる商品も含まれる。ただし、制度全体に共通する金利や月々の返済額はない。条件は金融機関ごとに異なり、設備や施工業者、申請者の状況によっても変わり得る。

政府は比較のための試算を示している。1万ポンドを年利8%、7年間で借りた場合、通常の返済額は月約155ポンドとなる。新制度を使えば、年間の返済額を最大285ポンド抑えられる可能性があるという。これはすべての住宅所有者に適用される貸付条件ではない。返済期間を長くすれば月々の負担は小さくなり得るが、借入期間を通じた総支払額も確かめなければならない。

融資の上限額は設備によって異なる。太陽光パネルと蓄電池はそれぞれ最大1万5000ポンド、空気熱源ヒートポンプは最大2万ポンド、地中熱ヒートポンプは最大3万5000ポンドだ。バイオマス設備、地域熱供給網への接続、小規模発電設備なども対象に含まれる。複数の改修について融資を申し込むこともできる。ただし上限額が示されていても、工事費が必ず全額賄われるわけではなく、誰もが上限まで借りられるわけでもない。

光熱費の削減は見込みであり、保証ではない

政府の試算では、ヒートポンプ、蓄電池、太陽光パネルを組み合わせた住宅は、年間のエネルギー費用を最大550ポンド削減できる可能性がある。使用する時間帯で料金が変わる契約を選べば、さらに最大300ポンドの節約が見込まれるという。ただしこれは一定の設備構成を想定した予測で、削減額の保証ではない。建物の向きや断熱性能、暖房の需要、電気料金の契約、設備価格によって収支は大きく変わる。

ここが制度を判断するうえで重要だ。設備代金を払い終える前に電気料金が下がることはあり得るが、家計には毎月の返済義務も加わる。実際に得になるかを考えるには、電力会社から買う電気がどれほど減るかに加え、ローンの返済額と維持費を計算しなければならない。ヒートポンプでは、従来のどの暖房設備を置き換えるか、電気とガスの価格差も影響する。

条件を満たす住宅所有者は、既存のヒートポンプ向け補助金と融資を併用できる場合がある。政府は「ボイラー更新制度」やスコットランドの住宅向け支援を通じた、最大9000ポンドの補助に言及している。補助金は借りる必要のある元本を減らす一方、融資は返済が必要だ。両方の制度があるからといって、すべての世帯が自動的に最高額の補助を受けられるわけではない。

対象者と申し込み前に確認すべき点

制度の資格要件によると、申請者は英国にある居住用住宅の所有者でなければならない。住宅ローンの有無は問わないが、金融機関が追加条件を設けることはある。借入金は太陽光発電パネル、蓄電池、ヒートポンプ、地域熱供給網への接続など、認められた設備改修に使う必要がある。熱供給網への接続を除き、工事は原則として英国の小規模発電設備認証制度「MCS」の認証を受けた業者が行う。所有者自身が工事をして融資を受けることはできない。

政府は複数の見積もりを取り、設備の価格だけでなく借り入れの総費用も比較するよう勧めている。提携する施工業者にしか発注できない金融機関がある一方、認証業者の中から選べる金融機関もある。この違いは最終価格や、設備の提案を比較できる範囲に影響する。見積書、融資契約書、請求書、工事の認証書を保管しておけば、後に問題が生じた際の確認にも役立つ。

この制度の背景には、エネルギー価格への懸念と、国際的な供給危機に対する英国の弱さがある。政府によれば、2026年上半期の太陽光設備の導入は約15万件に達し、ヒートポンプの販売は2025年に過去最高を記録した。需要はあるものの、制度がどこまで広がるかは実際の貸付条件と、利用世帯で想定どおりの節約が実現するかに左右される。今回の変化は資金面にある。投資を始めやすくする一方で、費用とリスクをどう負担するかは各家庭が判断しなければならない。