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フィッチ、フランス国債の見通しを「ネガティブ」に 格付けAプラスは据え置き

債務増加と成長鈍化を背景に、将来の格下げリスクを警告。7~9月期のGDPも小幅に減少し、2027年予算の審議が焦点となる。

格付け会社フィッチ・レーティングスは10月30日、フランスの長期国債格付けを「Aプラス」に据え置く一方、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。今回、格付けそのものが引き下げられたわけではない。公的債務が増え続け、政府が財政赤字を持続的に縮小できなければ、将来の格下げにつながり得るという警告だ。同じ日、フランスの統計当局は7~9月期の経済がわずかに縮小したと発表した。成長が弱いなかで財政を立て直すという、パリが直面する難題が浮かび上がる。

ロイター通信が伝えたフィッチの説明によると、債務見通しは8月の前回審査以降、悪化した。成長鈍化、資金調達費用の上昇、財政赤字の拡大に加え、政治勢力の分裂によって数年にわたる一貫した予算運営が難しくなっているという。フィッチは公的債務の国内総生産(GDP)比が2025年の115.7%から2028年には約124%に上がると予測する。124%は将来予測であり、すでに達した水準ではない。

格下げではなく、債務の先行きへの警告

格付け会社は、国が借金の返済義務を果たせるかどうかを評価する。フランスの格付けは引き続きAプラスだ。「ネガティブ」という見通しは、次回以降の審査で格付けが下がる可能性をフィッチが以前より高く見ていることを示す。フランスが市場から資金を調達できなくなったという意味でもない。同国は国債を発行し続けており、多様な産業、強固な制度、ユーロ圏への加盟は格付けを支える要因だとフィッチも評価している。

それでも、予算への視線は厳しくなる。政府は今後の予算を通じ、赤字を信頼できる形で減らせることを投資家や格付け会社に示さなければならない。満期を迎える国債の借り換え額が大きい国では、金利の緩やかな上昇でも、時間とともに利払い費が膨らみ得る。ただし、フィッチの見通し変更だけでフランス国債の利回りが自動的に上がるわけではない。市場価格は欧州中央銀行の政策や物価、投資家の需要にも左右される。

ローラン・レスキュール経済・財務相は30日の声明で、今回の決定に言及した。年内に予算を成立させ、2027年の財政赤字をGDP比5%に抑える必要があると述べ、財政健全化を続ける考えを示した。5%は政府の目標であり、すでに達成した実績ではない。実現するかどうかは、最終的に成立する予算と景気の推移にかかっている。

予算審議のさなかに成長が鈍化

フランス国立統計経済研究所(Insee)の速報値によると、7~9月期のGDPは前期比0.1%減だった。4~6月期は横ばいだった。1四半期の小幅なマイナスだけで、景気後退に入ったと断定することはできない。ただ、成長による税収増だけで債務のGDP比を下げることは難しくなる。

内訳を見ると、家計消費は0.4%、政府消費は0.3%増えた。一方、投資は0.6%減少した。輸出は1.7%減り、輸入はほぼ横ばいだったため、純輸出は成長率を0.6ポイント押し下げた。在庫変動は0.4ポイント押し上げた。消費が増えてもGDP全体がわずかに減った理由は、こうした項目を合わせると分かる。

2027年の予算案には、国債の借り換えという課題もある。フランス国債庁の見通しでは、政府の資金調達必要額は3397億ユーロに達し、2026年の修正後の数字より280億ユーロ多い。増加分のかなりの部分は、過去に発行した国債が満期を迎え、借り換えが必要になることによる。全額が新たな支出を意味するわけではない。

同庁の試算では、国の利払い費は2026年の見込み626億ユーロから2027年には729億ユーロに増える。いずれも予算案に基づく数字で、変わる可能性がある。それでも、利払いが他の政策に与える圧力を示している。予算のより多くを利息に充てれば、減税や新たな事業に使える資金は減り、予期しない景気減速にも赤字を増やさずに対応しにくくなる。

今後の焦点は予算を実行できるか

調整額の大きさだけが問題ではない。歳出削減と歳入増をどう組み合わせ、意見の割れる議会で合意を維持するかが問われる。フィッチは、次の大統領選挙を控えた政治論議を踏まえても、債務を安定させるほど長期的に赤字を減らせるという確信は強まっていないと説明する。これはフィッチの評価であり、議会審議の結末が決まったわけではない。

別の格付け会社ムーディーズも、フランスの格付け見通しを「ネガティブ」としている。ただし、両社は評価基準も格付けの尺度も異なる。どちらの判断も、フランスが返済不能になったという宣言ではない。問われるのは、政府の財政目標が成立した政策と実際の数字に結びつくかどうかだ。2027年予算の審議、成長予測の更新、債務残高と利払い費の推移が、今回の警告に続く判断を左右する。