Razón y Saber
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アラスカ州の米上院選、同姓候補を記した投票用紙の分離めぐり州と司法省が対立

司法省は現職と名前の似た候補を記した票を分けるよう求める。州側は秘密投票への影響を警告し、刑事捜査でも起訴は発表されていない。

アラスカ州の米上院選に出馬するダン・S・サリバン氏とダニエル・J・サリバン・ジュニア氏

米アラスカ州の連邦上院選をめぐる争いが、10月31日に新たな局面を迎えた。司法省は、現職の共和党上院議員ダン・S・サリバン氏と名前がよく似た候補、ダニエル・J・サリバン・ジュニア氏を記載した投票用紙を分けて保管するよう求めている。州側は連邦裁判所に対し、用紙を分けても有権者が名前を取り違えたかは分からず、投票中に選別すれば秘密投票を損なうおそれがあると反論した。判断は11月3日の投票日を前に示される見通しだ。

同時に、連邦当局はダニエル氏の立候補をめぐり刑事捜査を進めている。アラスカ州の連邦検事マイケル・ヘイマン氏は30日に捜査を認めたが、具体的な容疑や起訴は発表していない。民主党候補メアリー・ペルトラ氏は、名前の似た候補を選挙に加える計画は知らないと否定した。捜査の存在だけで、同氏やダニエル氏らの違法行為が立証されたわけではない。

投票用紙に並ぶ二人のサリバン氏

州の公式候補者名簿では、現職は共和党のダン・S・サリバン氏、もう一人は所属政党を届け出ていないダニエル・J・サリバン・ジュニア氏と記載されている。元連邦下院議員のペルトラ氏が現職の主な対抗馬だ。投票用紙には二人のイニシャルに加え、政党や現職であることを示す情報があり、候補を区別できる。

争いの発端は6月にさかのぼる。州選挙管理当局は届け出に関する苦情を受け、ダニエル氏の立候補をいったん認めなかった。現職と混同されかねない名前で出馬しようとした、という判断だった。ダニエル氏が不服を申し立てると、アラスカ州最高裁判所は同氏を候補者として扱うよう命じた。連邦政府が10月に提訴した時点で、投票用紙に載るかどうかの争いには決着がついていた。

司法省は、名前が似ているため有権者の一部が意図しない候補に投票する可能性があると主張する。訴訟では、そうした混同の影響を受けたと考える結果の認証を阻止しようとしている。一方、州側の弁護士は、連邦政府が挙げる法律に、この仮説を根拠として州の集計方法を変更させる権限はないと反論する。訴訟の本案について裁判所の結論はまだ出ていない。

アラスカ州では、有権者が候補者に順位を付ける「順位選択投票」が使われる。最初の集計で必要な過半数を得た候補がいなければ、最下位の候補を除外し、その候補を選んだ票を各用紙に記された次の希望先へ移す。一枚の用紙で二人のサリバン氏の両方に順位を付けることもできる。この仕組みでも最初の選択を間違える可能性は残るが、ダニエル氏への票をすべて現職が失った票とみなすことはできない。

司法省の要求と州側の反論

連邦政府の弁護士は30日の書面で、ダニエル氏をいずれかの順位に記した投票用紙をすべて保存し、ほかの用紙と分けるよう求めた。立候補が結果に影響したかを後で調べるためだという。情報提出の手続きを早めることと、暫定的な裁判所命令も申請した。この記事の締め切り時点で、裁判所はいずれの要求も認めていない。

31日に提出された州側の答弁は、投票用紙の保存と投票中の選別を区別する。連邦選挙の用紙は、すでに規則で定められた期間保存すると州は説明する。開票後に対象の用紙を物理的に分けるだけなら、有権者の意図について新しい情報は得られない。投票機に入れる前に選挙職員が用紙を見分けるという意味なら、秘密投票を危うくするというのが州側の主張だ。

用紙から分かるのは記入された順位であって、その理由ではない。有権者の氏名も記されていない。ダニエル氏を意図的に選んだのか、ダン氏に投票するつもりだったのかを、順位の集計だけで判別することはできないと州当局は訴える。州は連邦政府の訴えを退け、通常の手順で集計と結果の認証を進めるよう裁判官に求めている。

別に進む刑事捜査

ヘイマン連邦検事は30日、アンカレジで、この件に投入する捜査要員を増やしたと説明した。地元メディアのAlaska Public Mediaによると、ペルトラ陣営の関係者と、新たな候補を選挙に加えようとした人々との接触を報じた記事に言及した。検事は捜査中だと認める一方、犯罪があったと結論付けた段階ではないと述べた。

AP通信は、FBI捜査員がダニエル氏への献金者をピーターズバーグで訪ねたと報じた。この男性は、捜査員から献金に不正がなかったかを尋ねられ、立候補にだまされたとは感じていないと語った。一人の証言から捜査全体の結論は導けない。ペルトラ氏は有権者を混乱させる計画への関与を否定し、ダニエル氏も民主党側の依頼で出馬したとの見方を退けている。

刑事捜査と民事訴訟の目的は異なる。捜査当局は起訴に足る事実があるか、あるなら誰に責任を問うかを調べる。民事訴訟で裁判官が判断するのは、投票用紙の扱いや選挙結果の認証に介入すべきかどうかだ。現時点で有罪判決も、票の無効化を命じる判断も出ていない。

期日前投票はすでに始まり、3日の投票日まで時間は少ない。まず裁判所が連邦政府の申請と州の却下請求にどう応じるかが焦点となる。その後の集計が接戦になれば、さらに異議が申し立てられる可能性もある。今は本選挙の得票結果がなく、勝者を判断したり、もう一人のサリバン氏が結果に与えた影響を測ったりすることはできない。