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香港政府、大埔の168人死亡火災で謝罪 調査報告が監督不備を指摘

独立調査は可燃性資材と行政の監督不足を指摘。住宅政策の責任者が辞任した一方、個人の刑事責任をめぐる手続きは続いている。

香港政府は、大埔の集合住宅「宏福苑(ワンフックコート)」で168人が死亡した火災について公に謝罪し、住宅政策を担当する高官の辞任を発表した。独立調査委員会の報告書が10月29日に公表され、工事資材、改修工事の監督、複数の政府部門の対応に問題があったと指摘したことを受けたものだ。行政長官の李家超(ジョン・リー)氏は、建物の維持・改修に関する規則を見直し、公務員の対応を調べる行政調査を始めると表明した。

火災は2025年11月に発生し、住宅7棟に被害が及んだ。政府によると、168人が亡くなったほか、1984世帯が影響を受けた。報告書の公表によって刑事事件の手続きが終わるわけではない。公開版には、進行中の事件に影響を与えないよう一部を伏せた箇所がある。当局は関連手続きが終わった後、全文を公表するとしており、個々の証拠は今後も法廷で検討される。

燃えやすい資材と監督体制の不備

政府が公表した報告書の要約は、火の回りを速めた複数の要因を挙げた。燃えにくい仕様の足場用ネットが基準を満たさないものに交換された疑い、耐火性のない発泡材のパネルやほかの可燃物が改修工事に使われたことを指摘する。避難に使う階段にも、工事の都合で開口部が設けられていたという。委員会は、こうした要因が重なって延焼が速まり、被害が拡大したとみている。

資材の交換や特定の人物の行為については、刑事手続きが続くなかで疑いとして扱われている。一方、報告書は公的な監督の仕組みも検証し、住宅関連の検査部門、建築物を所管する部門、消防、労働部門に不備があったと結論付けた。業者や請負人だけを調べても、行政側の問題は解消しない。

委員会によると、建物の維持管理制度は、工事を設計・監督・実施する専門家の誠実さに頼り過ぎていた。一部の担当者が監督の役割を十分に果たさなくなると、危険が見過ごされた。大規模改修には多額の費用が動くため、入札の不正操作や威圧が生じやすいとも指摘した。犯罪組織に関わる主張は個別の事件の証拠に基づいて検証する必要があるが、制度面の問題は資材の種類を変えるだけでは済まないことを示している。

辞任と120項目の提言

李氏ら政府高官は会見の冒頭で、遺族と市民に向かって頭を下げた。住宅政策を担当するウィニー・ホー氏は政治的責任を取るとして辞任を申し出た。政府は、辞任が火災の原因について同氏個人の責任を認定するものではないと説明している。29日から職務を離れ、マイケル・ウォン副財政長官が住宅行政を暫定的に担当した。公務員の行政上の責任は、別の手続きで調べる。

委員会は120項目の提言を示した。政府は、改修工事の入札を不正に操作する一定の行為を犯罪として処罰できるようにし、部門横断の対策組織と、建物の所有者を支援する技術機関を設ける方針だ。工事の監督方法を組み直し、違反記録を連携させ、苦情の処理制度も改めるという。所有者側が高額な改修契約の品質や入札者同士の関係を見極めるのは難しい。新たな支援機関には、契約前から工事中まで独立した助言を提供する役割が想定されている。ただし、効果は今後制定される法律や予算、監視の仕組みに左右される。

李氏は政務長官の下に置く組織に、提言を一つずつ検討し、法改正を監督するよう指示した。別途、報告書が挙げた危険を発見できなかった、または適切に対応しなかった公務員や部門についても調査を始めた。当局は行政調査を3カ月以内に終える方針だ。刑事捜査はそれとは別の日程と立証基準で進む。

被災した家族にとって、将来の制度改革だけでは、安定した住まいや支援、何が起きたのかについての説明に代わらない。政府は長期的な住居の確保を優先課題に挙げる。恒久的な住まいが発表された後、家族が実際にどう暮らせるかを追うことも必要だ。報告書は資材と行政の両面にわたる問題を示したが、個人の刑事責任は今後の司法判断に委ねられる。謝罪と辞任に続き、現在工事中の建物で新たな規則が守られるかが、再発防止の試金石となる。