「ノー・キングス」、反トランプデモを投票につなげられるか 11月3日の米中間選挙へ
ウィスコンシン州とミシガン州で土曜日に行われた集会では、期日前投票が前面に出た。デモへの参加を実際の投票行動につなげられるかが、運動の次の段階を左右する。

ドナルド・トランプ米大統領に抗議する「ノー・キングス(No Kings)」運動が、より具体的な行動に力を入れ始めた。参加者に11月3日の中間選挙で投票してもらうことだ。地元メディアによると、10月17日(土)にウィスコンシン州とミシガン州で開かれた集会では、大統領への抗議とともに、期日前投票の案内や選挙に向けた準備が行われた。
各州で投票が始まる時期を迎える中での変化だ。事前に票を投じられる有権者にとって、11月の投票日だけが重要な日ではなくなっている。主催者の課題は、デモが終わった後も支持者の関心を保ち、実際の投票につなげることにある。群衆の写真だけでは、その成果までは分からない。
マディソンの行進から、投票の準備へ
ウィスコンシン・パブリック・ラジオによると、州都マディソンには数百人が集まった。参加者は州議会議事堂から市の庁舎まで行進し、到着先では投票について案内する催しが開かれた。抗議行動に、選挙への参加方法を伝える実用的な取り組みを組み合わせた形だ。
同放送局は州内の数十カ所で集会があったと報じ、連邦議会による大統領への監視を強めたいという参加者の声も紹介した。重点が変わってきた理由は、こうした要望からも見えてくる。トランプ氏への反発を軸としながらも、当面の目標は11月に改選される議会へ向かっている。
ただし、各地の集会から参加者の意図を読み取ることはできても、有権者全体の動向を測れるわけではない。自らデモに参加する人々は、有権者を代表するように抽出された集団ではない。参加人数だけでは、すでに投票した人、これから投票する人、支持政党を変える人がそれぞれどれほどいるかも分からない。
ミシガン・アドバンスは、ランシング、ファーンデール、グランドラピッズでの集会を報じた。トランプ氏や移民政策を批判するプラカードとともに、投票の準備を促す呼びかけがあり、選挙の監視に携わる活動への登録も受け付けられた。ランシングでは、インガム郡の民主党組織など政治団体も参加した。
同メディアによると、選挙に関する情報を選挙当局や信頼できる情報源で確認するよう助言する場面もあった。一部の登壇者は投票所で起こり得る問題を想定して話しており、その場ですでに起きた出来事を報告したのではない。選挙の公正さを守ることも議題となっただけに、この区別は重要だ。
「超党派」を掲げる運動と、参加者の目的
主催者はノー・キングスを超党派・非暴力の運動と位置づける。公開されている行動指針では、武器を持ち込まないこと、緊張を和らげる対応を取ること、法律を守ることを重視している。これは主催者が集会のあり方について示す方針であり、各地で実際に何が起きたかの確認に代わるものではない。
一方で、運動はトランプ氏が大統領権限を集中させているとの認識から、明確な反対姿勢を示している。民主党系団体の参加や、報道に登場する議会勢力の変化を望む声からは、参加者の一部が党派的な目標も持っていることが分かる。主催者の掲げる性格と、一人ひとりの参加動機が常に一致するとは限らない。
土曜日の集会後、運動のウェブサイトは投票の権利を守ることや、開票・選挙結果の認証が妨げられた場合に非暴力で対応することを強調している。これは運動側が表明している備えであって、そうした妨害がすでに起きたことを示す証拠ではない。活動の効果は、今後の出来事と結果を通じて見極める必要がある。
投票の日程は州ごとに異なる
テキサス州務長官の事務局によると、同州の対面での期日前投票は10月19日(月)から30日(金)まで行われる。本投票日は11月3日(火)だ。郵便投票の申請は10月23日必着とされており、この投票方法には独自の利用要件がある。
ミシガン・アドバンスによると、ミシガン州では対面の期日前投票が原則として10月24日に始まるが、それより早く始める自治体もある。全国的な運動であっても地域ごとの案内が必要なのは、このためだ。開始日も投票場所も利用条件も、すべての州で同じではない。
投票期間と有権者登録の期限も区別しなければならない。テキサス州で今回の選挙に向けた登録が締め切られたのは10月5日だった。今週から期日前投票が始まるからといって、新たな登録期間も始まるわけではない。
中間選挙で何が決まるのか
中間選挙では連邦下院の全435議席と、上院のおよそ3分の1が改選される。米政府の公式案内サイトUSAGovが説明するように、向こう2年間、各院でどの政党が多数派を占めるかが決まる。大統領を選ぶ選挙ではなく、議会の多数派を失っただけでトランプ氏が退任するわけではない。
今回の新たな動きが影響を及ぼそうとしているのは、こうした議会の勢力図だ。政権に反対する人々は、街頭に集まり、ボランティアを組織し、問題意識を社会に訴え続けることができる。だが、ワシントンの力関係を変えられるかどうかは、最終的に各選挙で投じられる有効票にかかっている。土曜日には組織的な活動の広がりが示された。11月の結果は、まだ決まっていない。