マリア・コリナ・マチャドがベネズエラ帰国 カラカスへの移動と米政権の反応
バルキシメトに姿を現し、首都へ向かった。RTVEはカラカス滞在を報じたが、25日午後5時9分の時点で首都での公の姿は独立に確認されていない。

ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャドが25日、約10か月ぶりに帰国した。帰国後の姿が最初に確認されたのは、ララ州バルキシメト近郊のサンタロサにある聖母ディビナ・パストーラの聖堂だった。その後、ロイター通信の記者とマチャド氏の陣営によると、車で首都カラカスに向かった。25日午後5時9分(カラカス時間)の時点で、スペイン公共放送RTVEは独自に首都滞在を確認したと報じた。一方、AP通信やロイター、現地メディアの報道では、カラカスで本人が公の場に姿を見せたことまでは確認できていない。
マチャド氏がバルキシメトにいたことは、所属政党ベンテ・ベネズエラが公開した映像や通信社の写真で確かめられる。同党はカラカスに入る前に複数の地点に立ち寄る陸路の移動を予告した。しかし、支持者がある場所で到着を待っていることと、本人がそこに着いたことは別である。陣営は現在地の詳細を公表していない。
帰国までの経路、公式説明はまだない
マチャド氏はXに「ここにいます。皆さんとともに」と短く投稿し、帰国を知らせた。側近らは、どこから、どのように国境を越えたのかを明らかにしていない。ロイターは旅程を知る2人の話として、パナマからコロンビアまで自家用機で移動し、その後、陸路でベネズエラに入ったと伝えた。ただし、本人もコロンビア、ベネズエラ両政府も、この経路を公には確認していない。利用した国境通過地点や、いずれかの政府が移動を支援したかどうかも分からない。
ララ州に入ったマチャド氏は、聖母ディビナ・パストーラをまつるサンタロサの教会を訪れた。ロイターの記者は、集まった人々が国歌を歌い、声をかける中、本人が車で立ち去る姿を目撃した。AP通信は、教会内で抱き合う人々や感極まった様子を伝えている。陣営はカラカスへ車で向かうと説明した。スペイン紙エル・パイスによれば、ベンテ・ベネズエラは首都での支持者との集会に先立ち、カラボボ州とアラグア州に立ち寄る予定だった。あくまで予定であり、各地点への到着がすべて確認されたわけではない。
今回の帰国によって、2025年12月から続いていた国外滞在に区切りがついた。マチャド氏は同月、ノーベル平和賞を受け取るため、ノルウェーのオスロへ向けて出国した。それ以前には長期間、国内で身を隠していた。今年に入ってからも何度か帰国を試みたが実現しなかったと、同党は説明している。今回の移動を可能にした経緯には、なお不明な点が残る。
トランプ氏とルビオ氏、異なる反応
ドナルド・トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に対し、帰国について知らなかったと述べた。マチャド氏を「とても感じのよい女性」と評し、ノーベル賞のメダルを贈られたことに触れたうえで、無事を願うと話した。最後に、米国はベネズエラでうまくやっているとも述べた。マチャド氏の大統領選への立候補を支持したり、選挙の日程を示したりはしていない。政権移行が早まることを期待する支持者の熱気とは、温度差がある。
マルコ・ルビオ米国務長官は、米国が後押しする和解協議によって、安全に帰国できる環境が整ったとの見方を示した。協議を通じて政治犯の釈放や、亡命していた反体制派の帰国が可能になったと述べ、あらゆる政治勢力の自由が尊重されるべきだと訴えた。また、対話は自由な選挙と持続的な民主主義につながり得るとした。釈放や帰国について同氏が示した数字は政府高官の発言であり、独立に確定された集計ではない。
協議にはデルシー・ロドリゲス暫定政権と野党の一部が参加しているが、マチャド氏の勢力は加わっていない。選挙の行方が決まる国内に本人は戻った一方で、米国が支援する交渉は同氏の組織抜きで進んでいる。新たな大統領選挙の日程も決まっていない。
国内で歓迎の動き、国外からは安全を懸念する声も
バルキシメトでは、集まった人々がマチャド氏を迎えた。69歳のエルナン・アダメスさんはロイターに、同氏が自由と民主主義の実現を助けてくれることを願うと語った。ベンテ・ベネズエラはカラカスなどでも車列による歓迎を呼びかけた。放送局NTN24はXで、選挙の実施を求める数百人がカラカスのアルタミラ広場に集まり、マチャド氏を待ったと報じた。首都の支持者の期待を示す動きだが、本人が広場に到着した証拠ではない。こうした支持者の意見だけで、ベネズエラ国民全体の考えを推し量ることもできない。
政治犯の家族らがエル・ロデオ第1刑務所の前で続ける座り込みにも、帰国の知らせは届いた。エル・パイスによると、家族らが収容者に知らせると、施設内から正義と自由を求める声が聞こえた。元国会議員のフアン・パブロ・グアニパ氏は、帰国が釈放と大統領選の日程決定につながるよう求めた。マチャド氏と意見が対立したことのあるエンリケ・カプリレス氏も、変化を望む人々にとって良い知らせだと受け止めた。政権側に近いホルヘ・アレアサ議員は、相手を政治から排除せず、対話を通じて政治活動を認めるべきだと主張した。ロイターによると、政府の広報担当部署は帰国について直ちに回答しなかった。
スペインに亡命中のエドムンド・ゴンサレス・ウルティア氏は帰国を歓迎し、近く自分もベネズエラでマチャド氏とともにいると述べたが、時期は示していない。米国在住のベネズエラ人経済学者リカルド・ハウスマン氏は安全への懸念を表明し、もし同氏に危害が及べば、米国政府と暫定政権は政治的責任を負うと警告した。国外からの反応も、政治的な合流への期待と、国内にとどまるための安全の確保という、異なる課題を映している。
マチャド氏は2023年の野党予備選に勝利したが、当局によって2024年大統領選への出馬を禁じられた。代わりにゴンサレス氏が立候補した。選挙管理当局は、投票所ごとの集計記録を公表しないまま、ニコラス・マドゥロ氏の勝利を宣言した。野党は集計表の写しを公表し、自陣営の計算ではゴンサレス氏が勝利したと主張している。2026年1月にマドゥロ氏が米軍に拘束された後、ロドリゲス氏が暫定大統領となり、新たな交渉が始まった。それでも選挙結果の正統性をめぐる対立は解消していない。
マチャド氏は帰国によって、国内から支持を集め、交渉に臨めるようになる。ただし、帰国だけで権力が移るわけでも、直ちに選挙が実施されるわけでもない。今後は、制約なく政治活動ができるか、政治犯や帰国者の安全が守られるか、同氏の勢力が制度上の決定に加われるか、そして検証可能な選挙日程が示されるかが焦点となる。帰国初日に確認されたのはララ州での姿、カラカスへ向かう移動、そして待ち受ける支持者たちだった。歓迎の後に、政治的な試練が始まる。