皇室典範改正法が施行 女性皇族は結婚後も身分維持、皇位継承は男系男子のまま
10月24日に施行された改正法は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ道と、旧皇族の男系男子を養子に迎える制度を設けた。一方、愛子さまに皇位継承資格を認めるものではない。

皇室典範などを改正する法律が10月24日に施行された。女性皇族は、皇族以外の男性と結婚しても自動的に皇籍を離れることがなくなった。また、旧皇族の男系男子を一定の条件で養子に迎える制度も設けられた。政府が課題とする皇族数の減少に対応する改正だが、皇位継承を男系男子に限る原則は変わらない。
皇族としての身分を保てることと、天皇になれることは別の問題だ。天皇陛下の一人娘である愛子さまは、新制度の下では結婚後も皇族にとどまることができる。しかし皇位継承資格が生じるわけではない。現在の継承順位は、陛下の弟の秋篠宮さま、次いでその長男の悠仁さまへと続く。
結婚と皇籍離脱を切り離す
これまで女性皇族は、皇族以外の男性と結婚すると皇籍を離れていた。2021年に結婚した眞子さんも、この規定に基づいて皇族ではなくなった。改正法は結婚と離脱を自動的に結びつけない。女性皇族が結婚後も公務を続けられるようにするのが狙いだ。施行時にすでに皇族だった女性には、本人が望めば結婚に際して皇籍を離れることができる経過措置も設けられていると、宮内庁は説明している。
皇籍を維持できるとしても、家族に関する疑問がすべて解消したわけではない。皇族ではない夫が結婚だけで皇族になることはなく、子どもも自動的に皇族となるわけではない。住まいや公的行事への同伴など、実際の運用には検討すべき点が残る。時事通信によると、政府は制度の実施にあたり当事者の意思を尊重する考えを示している。
今回の改正には、皇位継承とは別に公務の担い手を確保する目的がある。皇族は式典への出席や各地への訪問など、多くの活動を担う。女性皇族が結婚するたびに人数が減れば、残る人々に役割が集中する。結婚後も身分を保てるようにすれば、経験のある皇族が活動を続けられる可能性がある。ただし、それは皇位を継ぐ資格を認めることとは異なる。
養子制度に設けられた条件
もう一つの改正点は、皇室会議の議を経て、旧皇族につながる男系男子を養子に迎えられるようにしたことだ。対象は15歳以上で、配偶者も子どももいない男性に限られる。誰でも養子にできる制度ではなく、出自や年齢、家族構成に細かな条件がある。皇族数を増やすための道を開く一方で、対象を厳しく絞っている。
宮内庁が示す条文の要点では、養子になった男性自身に皇位継承資格は与えられない。皇族の身分を得ることと、天皇になる資格はここでも分けられている。養子となった人の子孫については、実方の系統に基づく規定が適用される。今回の制度を、養子になった男性が直ちに継承順位へ加わる仕組みと説明するのは正確ではない。
養子を認める法律が施行されたことは、実際に縁組が成立したことを意味しない。条件を満たす候補者を探し、本人の意思を確かめ、必要な承認を得る段階がある。具体的な縁組がなければ、皇族数が何人増えるかは分からない。制度が皇室の将来にどの程度役立つかは、今後の運用にかかっている。
愛子さまをめぐる議論は残る
皇位継承をめぐる議論の中心には、今も愛子さまがいる。女性にも継承を認めるべきだと考える人々は、公務を担う女性皇族を資格から除外し続けることに疑問を示す。一方、男系による継承の維持を重視する立場もある。どちらも皇室の将来に関わる主張だが、今回の施行によって愛子さまの資格が変わったわけではない。
現行制度では皇位を継げるのは男系男子に限られ、秋篠宮さまに続くのは悠仁さまだ。対象者が少ないことへの懸念は改正後も残る。養子制度は皇族の構成を広げるため、女性皇族の身分維持は公務の継続を図るための措置である。女性天皇を認めるかどうかには、別の法改正が必要となる。
改正法は7月に成立し、今週末から適用が始まった。結婚後の身分について女性皇族に新たな選択肢を設け、厳しい条件の下で養子を迎える道を開いた一方、皇位継承の原則は従来のまま残した。皇族として誰が活動できるかは変わったが、誰が天皇になれるかという問いへの答えは変わっていない。