IMFが債務への早期対応を要請 利払い増で財政再建は一段と厳しく
対応の先送りは政府の選択肢を狭めるとIMFが警告。資金調達コストの上昇で、公共サービス、投資、支援に回せる財源が圧迫されている。

国際通貨基金(IMF)は14日、債務の調達コストが上がり、より厳しい財政再建を迫られる前に行動するよう各国政府に求めた。すでに政府予算の中で競合する三つの圧力がある。高水準の債務、利払いの増加、そして拡大し続ける歳出需要だ。
IMF財政局長のロドリゴ・バルデス氏は、多くの国で対応がなお不十分だと指摘した。IMFは、主要先進国が財政の余力を取り戻す必要があり、その政策判断は国境を越えて影響するとしている。今回の呼びかけは、バンコクで開かれているIMF・世界銀行の年次総会に合わせて行われた。
クリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、米国に対してもこの問題を提起した。AP通信によると、米当局は財政赤字と債務の問題を認識していると述べたうえで、経済成長は助けになるものの、必要な速さで解決するにはそれだけでは足りないと警告した。
利払いが予算に占める割合は大きくなる
資金調達にかかる費用が上がれば、債務の管理は難しくなる。ただし、既存の借り入れすべての金利が直ちに上がるわけではない。固定金利で発行され、満期が先にある債務もある。政府が債券を借り換えたり、新たに資金を調達したりする際には、その時点の市場条件に直面する。
ロイター通信が伝えたIMFの推計では、政府の平均実効調達コストは2021年の2.3%から2031年には3.7%へ上昇する見通しだ。これは予測であり、すべての政府が現在支払っている金利でも、個々の債券に一律に当てはまる数字でもない。
同通信によると、主要7カ国(G7)の10年国債利回りの平均は、2月から9月にかけて110ベーシスポイント超、つまり1.1ポイント超上昇した。引用された分析では、約20年ぶりの高水準に達したという。
予算への影響は明確だ。歳入や借り入れを増やさない限り、利払いに多くを使えば、ほかの用途に回せる資金は減る。難しいのは、その負担を納税者、公共サービス、投資の間でどう分担するかという判断である。
負担は豊かな国だけにとどまらない
影響は、大国の歳出判断に関与していない国にも及ぶ。AP通信によると、ゲオルギエバ氏は債務の圧力が低所得国にとって特に深刻だと警告した。
その弱さは、利払いの重さにも表れている。ロイター通信が紹介した数字では、低所得国の利払いは現在、税収の15%超を占める。2011~2019年の平均は約9%だった。支払いの一つひとつが、もともと限られていた対応力をさらに削る。
10月の財政分析は、世界の公的債務が歴史的に高い水準にあり、2030年より前に世界全体の国内総生産(GDP)の100%を超えると予測している。これは世界を合計した傾向であり、すべての国が同じ債務を抱えるという意味ではない。特定の日に危機が必ず起きるという予測でもない。
成長を弱めずに財政を立て直すには
10月の分析は、投資、雇用、生産性を妨げずに税収を改善する方法を検討している。すべての国に共通する税の組み合わせを処方しているわけではない。制度設計は、それぞれの国の条件に合わせる必要がある。
一つの方法は、企業が仕入れにかかった付加価値税(VAT)を十分に控除できず、生産コストとして累積することを防ぐことだ。もう一つは、より生産的な用途から投資をそらしてしまう税制上の優遇を見直すことである。
分析では、働くことへのインセンティブ、技術革新への支援、税務行政も取り上げている。政治的な議論にとっても重要だ。財政調整の効果は、どれだけの収入を確保するかだけでなく、制度をどう設計するかにも左右される。
家計と企業を守るための財政負担
エネルギーは、さらに別の難題を加える。IMFは6月に公表した分析で、中東での戦争開始以降、約170カ国が採用した900件近い政策措置を確認していた。これはその時点の集計であり、10月の更新値ではない。多くの措置は、コスト増が消費者や企業へ転嫁されるのを抑えていた。
IMFは、当初は一時的とされた支援が、明確な終了時期のないまま延長される可能性を指摘していた。広範な補助金や長期化する減税は、次の危機に必要となり得る財源を消費する。
バルデス氏は14日、支援は必要な人に絞り、限定的、一時的、透明なものにすべきだと改めて述べた。IMFは、価格全般を広く抑える政策は、供給減少への調整を遅らせ、財政をさらに圧迫しかねないとしている。
ただし、別の方法を選べば社会的な負担がなくなるわけではない。5月のエネルギーと食品に関する分析で、IMFは低所得の家計ほど、それらに所得の大きな割合を費やし、貯蓄も少ないと指摘した。そのため、弱い立場にある家庭への重点的な支援と、事業を継続できる企業への資金繰り支援を提案している。
各国政府の課題は、こうした提言を、持続可能で社会的にも説明できる政策判断に変えることだ。IMFは、財政を立て直す速さと内容を自ら選べる間に行動するよう求める。市場に条件を決められるまで待てば、選択肢を最も必要とする時に、その幅が狭まると警告している。