Razón y Saber
EspañolEnglish日本語

カリフォルニア州の郵便投票、トランプ政権の緊急控訴退けられ集計続く

約2万人に関連する投票用紙の分離を求めた緊急控訴は手続き上の理由で退けられた。対象者の投票資格についての判断ではない。

ロサンゼルス郡の有権者が投票用紙を投函する公式回収箱。
2025年に撮影された米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の投票用紙回収箱。資料写真。 © Kelson Vibber / Wikimedia Commons

カリフォルニア州の郵便投票をめぐる争いは26日、発端となった連邦地裁の審理に戻った。連邦控訴裁判所は、米司法省が「市民権を持たない可能性がある」とする約2万人に関連する投票用紙を、集計から一時的に分けるよう求めたトランプ政権の緊急控訴を退けた。理由は、この段階で控訴を審理する管轄権がないという手続き上の判断だ。対象者が投票できるかどうか、実際に米国市民ではないかどうかは判断していない。11月3日の連邦選挙まであと1週間となる27日、連邦地裁では政府の申立てについて審問が予定されている。

この事件では三つの論点を分けて考える必要がある。市民権のない人は連邦選挙で投票できないという法律上の原則、政府が作成した名簿の正確さ、そして選挙が進行するなかで裁判所が投票用紙の処理方法を変更できるか、という点だ。最初の原則に争いはない。州側は、名簿に載る人々が非市民だという証明はなく、疑いだけで票を分離することはできないと反論する。

司法省は何を求めたのか

トランプ政権は10月中旬に提訴し、州の有権者名簿に登録された約2万人が、市民権の要件を満たしていない可能性が高いと主張した。それらの人々に結び付く投票用紙を分け、集計に含める前に一人ひとりの資格を確認するよう求めている。ただし、「可能性が高い」という分類は、各人の国籍や投票資格についての確定判断ではない。

カリフォルニア州は、登録済みの有権者全員に郵便投票用紙を送る。このため訴訟の時期が大きな意味を持つ。政府が緊急措置を求めた時点で用紙は発送済みで、選挙当局はすでに票を処理していた。控訴裁判所が引用した書類によると、ロサンゼルス郡では10月5日以降、33万1000票以上を処理していた。秘密投票を守るため、用紙を封筒から切り離した後では、その一票を特定して取り除くことができない場合もある。

州と地方の当局は、投票資格のない人の票を承知の上で数えているとの非難を否定する。郡側の弁護士は、政府の名簿にも問題があると指摘した。米報道機関が伝えた裁判資料によると、200件を調べたところ、登録が取り消し済みか無効になっている記録が多数あり、米国内で生まれたとみられる人も含まれていた。これは訴訟で示された一部の確認結果であり、約2万人全員を調べた監査ではない。一方、司法省は、違法な可能性のある票を数えることが選挙の公正さを損なうと主張する。

控訴が退けられた理由

司法省はまず、連邦地裁のデービッド・カーター判事に、一時的な差し止め命令を求めた。政府は11月3日までの判断を要請し、判事は10月27日に審問を開き、双方の主張を聞いた後に速やかに決める方針を示した。ところがその審問前に、政府は第9巡回区連邦控訴裁判所へ進み、即時に判断しないことは実質的な申立ての却下に当たると論じた。

控訴裁判所の多数意見は、この手続き上の主張を認めなかった。地裁判事には十分に審理する機会が与えられておらず、控訴の対象となる判断もまだないと結論づけた。つまり、約2万人の投票権の有無について最終判断を下したわけではない。判事1人は、緊急性を理由に控訴を審理すべきだとして反対した。別の判事らは、政府の法的根拠や、この時期に選挙の運用を変える危険にも疑問を示した。

判断では訴訟の時期が重視された。決定文によれば、政府は当初、投票日まで待って命令を得る案を示していたが、その後は地裁判事に数時間以内の判断を求めた。裁判所は、投票と集計の準備がすでに始まっている点にも言及した。証拠を十分に検討する前にルールを変えれば、正当に投票できる市民に影響が及ぶ可能性がある。

地裁に残された争点

審理の焦点は再び連邦地裁に移る。政府のデータがどれほど信頼できるか、司法省にどのような権限があるか、政府が訴える損害、投票用紙を分離した場合の実務的影響が議論される。仮に緊急命令が出ても、それだけで訴訟全体の結論が決まるとは限らない。本案の審理中にどのように票を扱うかを定める判断となる。

この事件は、政権が複数の州で有権者名簿や郵便投票をめぐって進める一連の動きの一部でもある。政治的な注目は高いが、今回の控訴審判断の法的範囲は狭い。カリフォルニア州で2万票の違法投票があったと裁判所が認定したわけではない。また、控訴が退けられても、地裁が政府の申立てを審理する道は残る。

有権者にとっては、行政上の疑いと個人についての証拠を区別することが欠かせない。違法投票の防止と同時に、正当な票が十分な根拠なく排除されないようにする必要がある。地裁は、提出された情報だけで11月3日を前に緊急の変更を命じられるかを判断する。それまでは従来の規則で選挙事務が続き、争点は未解決のままだ。