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元大阪地検検事正、性的暴行の罪を否認 約2年ぶりに公判再開

2024年の初公判で起訴内容を認めた北川健太郎被告が、一転して無罪を主張。元部下の女性の状態と、被告がそれをどう認識していたかが争点となっている。

検察庁が入る大阪中之島合同庁舎と、周辺の建物や道路を写した過去の写真。
大阪の検察庁が入る中之島の庁舎。過去の撮影。 © DVMG / Wikimedia Commons

部下だった女性検事に性的暴行を加えたとして起訴された元大阪地検検事正の北川健太郎被告(67)の公判が10月27日、大阪地裁で約2年ぶりに再開され、被告は無罪を主張した。2024年10月の初公判では起訴内容を認めていたが、その後、主張を一転させていた。

関西テレビの当日の報道によると、北川被告は、女性が抵抗できない状態だったことを否認した。弁護側も犯罪の故意はなかったと主張している。判決はまだ出ていない。

起訴内容を認めた後、無罪主張へ

起訴されたのは2018年9月の行為だ。起訴状によると、北川被告は飲酒を伴う懇親会の後、女性を大阪市内の官舎に連れて行き、酒に酔って抵抗できない状態にあった女性に性的暴行を加えたとされる。検察側は、被告が上司としての立場に乗じたと主張している。

2024年10月25日の初公判で、北川被告は起訴内容を認め、被害を与えたことへの反省と謝罪を述べた。しかし、同年12月10日、新たに選任された弁護人が無罪を主張する方針を発表した。当時のFNNの報道によれば、当初認めた理由については、事件の関係者や検察組織にこれ以上迷惑をかけたくなかったからだと説明した。

新たな弁護方針は、北川被告が女性の同意があると思っていたとし、女性が抵抗できないほど酒に酔っていたかを争うものだ。MBSによると、方針転換を受け、裁判所、検察、弁護側の三者が、証拠の検討や争点の整理を行う非公開の手続きを約2年間続けていた。

法廷で問われること

MBSは主な争点を二つに整理している。女性が拒絶や抵抗のできない状態だったのか、そして北川被告がその状態を認識した上で行為に及んだのか、という点だ。これらは証拠や証言に基づいて審理される。当事者の主張は、裁判所の認定とは異なる。

関西テレビによると、27日の公判で検察側は、女性が飲酒で強い影響を受けていた状況を説明し、被告との上下関係にも言及した。一方、弁護側は立証が十分でないと主張。状況の再現に役立ち得た映像などはすでに失われているとし、女性の記憶に空白があることから、その供述で争点となる事実を証明できるかを問題にした。

起訴罪名は準強制性交等罪で、相手が抵抗できない状態にあることに乗じた性的行為などを対象とする。法務省の説明では、2023年の改正前は「心神喪失」や「抗拒不能」などが要件とされていた。改正では関連する罪を統合し、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態という要件に整理した。この事件で問われている行為は2018年のものだ。

女性の訴えと検察組織の対応

女性は公の場では「ひかりさん」という仮名を使っている。MBSによると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたことなどをきっかけに、事件から6年後に被害を申告した。ハラスメントや組織の対応について独立した調査を求めた後、2026年8月末に検察庁を退職した。

組織の責任を問う訴えは、今回の公判以前から続いている。AFPが伝えた3月の記者会見で、ひかりさんは、検察が被害者を保護していないと批判し、外部の第三者委員会を求めた。回答を求められた関係機関は、女性が国を相手に訴訟を起こしていることを理由に回答を控えた。組織的な隠蔽があったというのは女性の訴えであり、裁判所が認定した事実ではない。

この事件を巡っては、個人情報の拡散や捜査情報の漏洩があったとして、ひかりさんが同僚を告訴・告発した別の手続きもある。毎日新聞は10月5日、大阪の検察審査会が、その職員を不起訴とした処分について「不起訴相当」と議決したと報じた。この議決によって、北川被告の刑事責任が判断されたわけではない。

27日午前の公判後、ひかりさんは関西テレビの取材に対し、検察側が被害の状況を説明するのを聞いて涙を流したと語り、弁護側の主張には怒りを表した。

MBSが伝えた日程によると、10月27日を含めて計10回の公判が予定され、証人尋問や被告人質問が行われる。結審は2月15日、判決は2027年3月12日の予定だ。有罪か無罪かは、今後の審理を踏まえて裁判所が判断する。

写真はDVMGによる過去の撮影で、Wikimedia CommonsでCC BY 3.0の下で公開されている。掲載にあたりサイズを変更した。