EU、拡大へ工程表 モンテネグロは年内に加盟交渉終結の可能性
欧州委員会がモンテネグロ、アルバニア、モルドバ、ウクライナの交渉日程の目安を提示。加盟には改革の実行と加盟国の承認が必要となる。

欧州委員会は水曜日、モンテネグロ、アルバニア、モルドバ、ウクライナとの欧州連合(EU)加盟交渉に向けた新たな工程表を示した。先頭を走るモンテネグロの交渉が進めば、2013年のクロアチア加盟以来となるEU拡大への道が開かれる可能性がある。
欧州委は、モンテネグロが2026年末までに交渉を終結し、2027年6月に加盟条約に署名できる可能性があるとみている。同国政府は2028年の加盟を目指す。ただし、いずれも条件の達成と加盟国の判断を前提とする目標であり、その時期の加盟が自動的に保証されるわけではない。
これらの提案は、欧州委が11月4日に採択した年次の拡大報告書に盛り込まれた。交渉が最も進んでいる候補国の評価に、次の段階を導くための日程の目安を添えたのは初めてとなる。
欧州委のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、一部の候補国の進展により、拡大に向けて前進できると述べた。一方、報告書は、各国の交渉の速度は改革の実行とEU加盟国政府の判断によって決まることも強調している。
交渉終結に近づくモンテネグロ
バルカン半島のモンテネグロは、2012年に加盟交渉を始めた。以来、司法や競争政策から食品安全、環境に至る幅広い分野で、法律や制度をEUの基準に合わせることを求められてきた。
交渉の終結とは、「章」と呼ばれる各政策分野の加盟条件で合意することを意味する。各章の交渉を終える決定は、全体の手続きが完了するまでは暫定的なものとなる。その後の加盟条約についても、加盟が発効する前に、モンテネグロと現在の加盟国で必要な承認を得なければならない。
欧州委は、将来のモンテネグロ加盟に伴う財政面の検討と、加盟条約の準備をすでに進めていると説明した。同国紙ビイェスティによると、交渉終結までには未完了の章に加え、財政問題、制度上の取り決め、保護措置などで合意する必要がある。
条約への署名は重要な節目となるが、その後にも批准と進捗監視の段階が残る。ビイェスティが確認した文書では、署名から加盟までの間、モンテネグロは多くの作業部会に積極的なオブザーバーとして参加することが見込まれている。
司法改革と汚職対策に残る課題
見通しが明るくなっても、制度の機能に対する懸念がなくなるわけではない。モンテネグロに関する欧州委の報告書を確認したビイェスティは、EU側が司法分野の進展を認める一方、その独立性や、汚職・組織犯罪対策のさらなる強化を求めていると伝えた。
同紙によると、欧州委は高位の汚職事件で有罪判決が確定する件数を、なお少ないと評価している。メディアへの外部からの影響や、弱い立場にある人々への差別にも懸念を示した。組織犯罪事件では、審理の長期化や延期が引き続き問題となっている。
こうした指摘は、法律の整備がEUの審査の一部にすぎないことを示す。規則が実際に運用されているか、制度に執行能力があるかも評価対象となる。改革を続けるうえでは、国内でEU統合への政治的支持を保つことも要素となる。
アルバニア、モルドバ、ウクライナはそれぞれの速度で前進
欧州委は、アルバニア、モルドバ、ウクライナも交渉が進展した国に挙げたが、各国の状況は異なる。アルバニアについては、改革と政治対話を継続すれば、2027年末までの交渉終結という目標は野心的ながら達成可能だと評価した。
モルドバとウクライナは、強い外圧にさらされながら加盟を目指してきた。ウクライナでは、ロシアによる侵攻後の戦争も続く。欧州委が両国に提案する工程表は、交渉の目標を示すものであり、結果をあらかじめ決めるものではない。
AP通信によると、EU側はモルドバが2028年初めに交渉を終えられる可能性があるとみている。一方、ウクライナには、同年末までの交渉終結という目標に向けて改革を加速するよう求めた。いずれの国の加盟にも、加盟国による追加の判断が必要になる。
西バルカン地域のほかの候補国には、それぞれ独自の障害がある。EUの評価は、各国の民主主義、司法、法の支配に関する問題を指摘している。交渉は一律には進まず、先行する候補国に示された新たな日程が、各国に適用される要件に取って代わるわけではない。
EUにとって拡大が意味するもの
新規加盟は、共通市場と共通機関に一つの国が加わることを意味する。同時に、各政策をどう適用し、責任や資源をどう配分するかで合意する必要もある。そのため、拡大の過程には候補国の改革だけでなく、EU自身の準備も含まれる。
EU側は拡大を、欧州の安全保障、安定、競争力への投資と位置づける。候補国にとって加盟の見通しは政治・経済上の目標となる一方、現在の加盟国には合意形成と批准を伴う判断が求められる。
モンテネグロにとって次の節目は、年内に予定される交渉会合となる。条件が満たされ、関係国の合意が得られれば、条約は予定する署名日に向けて前進し得る。それまでは同国は加盟候補国であり、欧州委が示した日程は実際の進展を前提とする指針にとどまる。