クローガー、3年間で本社部門の約3,000人を削減へ AI活用と組織改革を加速
グレッグ・フォランCEOが組織の簡素化を表明した。対象は本社部門で、店舗での一斉解雇を発表したわけではない。具体的な対象職種は今後明らかにする。

米大手スーパーのクローガーは、今後3年間で本社部門の約3,000人分の職務を削減する方針だ。グレッグ・フォラン最高経営責任者(CEO)が10月12日、従業員向けの文書で計画を伝えた。人工知能(AI)の業務への導入と併せ、意思決定を速め、組織を簡素化する狙いがある。
今回の発表は、店舗で直ちに3,000人を解雇するという内容ではない。対象は本社部門で、実施期間も複数年にわたる。文書を確認したロイターによると、この部門の従業員は約8,200人。削減予定数はその約37%に相当するが、クローガーの全従業員の37%ではない。
管理階層を減らし、価格競争に対応
フォラン氏は、社内の管理階層や業務の引き継ぎ、間接費が過剰になっていると説明した。会社から文書の提供を受けた専門メディアのGrocery Diveによれば、担当者の責任範囲を広げ、判断を迅速化し、顧客や従業員、買い物環境に資源を振り向ける方針だ。
背景には価格競争がある。ウォルマート、アルディ、コストコ、アマゾンが家計の食品支出を争うなか、クローガーは経費削減で値下げの余地を確保したい考えだ。ただし、今回の発表は特定商品の値下げ幅を保証するものではなく、顧客1人当たりの節約額も示していない。
対象となる職務の詳細は今後数カ月で伝えるとしている。文書には部門ごとの実施日程がなく、削減される職務のすべてをAIが直接代替するとも説明されていない。技術活用と重複業務の削減は、経営体制全体を見直す計画の一部である。
利益は確保、売上成長には課題
直近の決算からは、経営破綻というより、成長の勢いを取り戻す必要性が見える。8月15日までの第2四半期の営業利益は9億7,100万ドルだった。一方、燃料を除く比較可能な売上高の伸びは0.2%で、前年同期の3.4%を下回った。
同社は9月、この売上指標の通期見通しを従来の1~2%増から0.2~0.8%増に引き下げたが、調整後利益の目標は維持した。比較可能な売上高は同じ事業基盤での推移を測る指標であり、会社全体の売上高とは異なる。
フォラン氏は2月にCEOに就任した。ロイターによると、同社は2025年6月にも本社部門の約1,000人分を削減している。前回と今回は別の時期の計画で、今週発表された一つの削減策として合算することはできない。
同社は10月20日に投資家向けの説明会を予定している。従業員にとっては、どの職務がいつなくなるのかが当面の焦点だ。消費者にとって改革の成否が表れるのは店舗である。管理組織の縮小が、接客を損なわずに価格とサービスの改善につながるかが問われる。