Razón y Saber
EspañolEnglish日本語

ASML、売上高が過去最高に AIブームが直面する工場の供給力の壁

オランダの半導体製造装置メーカーは、計画中の供給能力では2027年と2028年の需要を満たせないと警告する。増強には時間と建設工事が必要だ。

AI生成の参考画像

ASMLの2026年第3四半期の売上高は116億6200万ユーロと四半期ベースで過去最高を記録し、純利益は49億6000万ユーロとなった。10月14日水曜日に発表されたこの数字は、一企業の決算を超えた意味を持つ。人工知能(AI)の急成長が、半導体の生産に必要な装置をつくるための時間という制約に突き当たっているのだ。

オランダの同社を率いるクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は、2027年と2028年に予定している供給能力では、顧客の需要をすべて満たせないと警告した。同社は能力の拡大を検討している。これは今後の意思決定と実行に左右される企業の見通しだが、課題を具体的に示している。半導体の供給を増やすには、装置と施設、そしてそれらを供給できる産業の連携が必要になる。

半導体の背後にある工場

ASMLは、半導体製造の中核を担う装置の一つである露光装置を供給している。スマートフォンやサーバーに組み込まれる完成したプロセッサーを販売しているわけではない。同社の装置は、メーカーがシリコンウエハーに回路のパターンを描き出すことを可能にする。

同社の技術解説を読むと、この工程がわかりやすくなる。光がマスク上の設計パターンを伝え、光学系がそれを縮小して感光性のある表面に結像させる。この手順を繰り返し、複数の層を形成する。製造の成否は、微細な構造をどれだけ正確に再現できるかに加え、完成までに必要となる多くの工程にも左右される。

この役割によって、露光技術は新たなデータセンターに投じられる資金と、その部品を実際につくる能力とを結ぶ位置にある。投資を発表しても、すぐに半導体の供給量が増えるわけではない。その前に、メーカーは工場に装置を導入し、製造工程を安定して稼働させなければならない。

前四半期との比較からは、成長の加速が見える。ASMLが7月に発表した売上高は93億2600万ユーロ、純利益は29億1800万ユーロ、新規装置の販売台数は86台だった。これは前年同期との比較ではなく、直前の四半期の実績であり、そこからどれほど伸びたかを示している。

精密さを支える供給網

EUVと呼ばれる極端紫外線技術は、波長13.5ナノメートルの光を使う。ASMLによると、先端半導体の最も複雑な層に使われる一方、ほかの層の製造では引き続き深紫外線の露光装置が使われている。一方の技術が登場したからといって、もう一方が自動的に不要になるわけではない。

EUVの光は空気にも吸収されるため、装置は真空中で動作させる必要がある。光を導くためには特殊な反射鏡を用いる。光の生成、ウエハーの位置決め、装置全体を極めて厳しい許容誤差の範囲内に保つ作業には、複数のシステムの協調が欠かせない。そのため、生産能力の拡大は、ソフトウエアのライセンス数を増やすこととは異なる難しさを伴う。

開口数を高めた次世代装置は、より小さな構造の形成を目指している。ただし、この進歩によって一台の装置が工場全体の役割を果たせるようになるわけではない。メーカーは引き続き、装置を生産ラインに組み込み、工程を開発し、結果を検証する必要がある。装置の性能向上を、即座に半導体の生産増につながるものと捉えれば、その効果を過大評価することになる。

アイントホーフェンで進む拡張

供給能力の増強には、具体的な場所も伴う。ASMLは9月8日、オランダのブレインポート地域にあるアイントホーフェンで、新たな産業キャンパスの建設を開始した。計画では約35万平方メートルを占め、長期的には最大2万人が働ける規模となる。

同社の公式日程では、第1期の完成は2029年を予定している。この段階で少なくとも3000人を受け入れるスペースを確保するが、その中心は既存施設から移るチームとなる。したがって、新たに3000人を採用するという発表ではなく、キャンパス全体の能力がすでに利用できるという意味でもない。

設計では、生産、物流、それらを支えるオフィスを一体化する。ASMLは、より大きな規模で操業できるよう、資材やモジュールの流れを再編する方針だ。床面積を増やすだけでなく、生産体制の組み方によっても能力を高めようとしている。

地元報道は、この取り組みの別の側面を伝えている。Omroep Brabantは火曜日、アイントホーフェンとベストの間にある高速道路A58のアンダーパスを拡幅する工事について報じた。自動車、バス、自転車のための空間を整備し、ASMLが拡張する地域へのアクセス改善を目指す。

この地域ニュースは、拡張の規模を理解する手がかりになる。世界規模の産業にも、地元の道路や交通が必要なのだ。工事の恩恵は装置メーカーだけでなく、周辺のほかの事業拠点にも及ぶ。ただし、この交通工事によって産業施設の完成時期が早まると考えることはできない。工事も日程も別々だからだ。

需要見通しを納入につなげられるか

フーケ氏は、顧客が需要見通しを引き上げている主な理由として、AI関連の投資を挙げている。2029年や2030年向けの発注に関心を示す顧客もいる。ただし、その関心を、すでに得られた売上高や、計画がすべて実現する保証と混同してはならない。

米国、欧州、アジアに共通する課題がある。技術の拡大は、国境を越えてつながる装置と生産能力に依存している。ASMLの決算は実際の事業活動の活発さを示すが、次に問われるのは産業現場での実行だ。能力増強が装置の納入につながり、半導体メーカーが約束した期間内にそれを生産へと結び付けられるかを見極める必要がある。