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米国、中国本土への渡航情報に「不当な拘束」の警告を追加 危険度はレベル2を維持

米国務省は10月19日、中国本土の渡航情報に「D」の危険指標を加えた。渡航勧告は引き続きレベル2の「十分注意」とし、拘束や出国禁止のリスクを明示している。

空港で米国の旅券を持ち、スマートフォンで中国本土の渡航情報を確認する旅行者のイメージ
米国の渡航情報は、中国本土での不当な拘束や出国禁止のリスクを警告している。 AI生成の参考画像

米国の中国本土向け渡航情報に、10月19日から新たな一文字が付いた。「D」である。渡航先の政府によって米国民が不当に拘束される危険を示す、米国務省の指標だ。ただし、中国本土の渡航勧告が「渡航の再検討」を求めるレベル3に引き上げられたわけではない。従来どおり、十分な注意を求めるレベル2にとどまっている。警告が具体的になったことと、勧告レベルの引き上げや渡航禁止とは区別する必要がある。

国務省は、関連する二つの異なる危険を挙げている。一つは、特に国家安全保障に関する法律の恣意的な運用だ。もう一つは、公平で透明な異議申し立ての手続きがないまま、中国からの出国を禁じられる可能性である。米国民が不当に拘束される重大なリスクもある、と国務省は評価する。これは米政府の判断であり、被害に遭った旅行者の人数を示すものでも、中国に入国した人が全員逮捕されるという意味でもない。

「D」が意味するもの、再び加えられた経緯

米国の渡航情報は、四段階の勧告レベルに加え、個別の脅威を示す指標を用いている。レベル2は「十分注意」、レベル3は「渡航を再検討」、レベル4は「渡航しないこと」を求める。「D」は第五のレベルではない。国務省の定義では、渡航先の当局によって米国民が不当に拘束される可能性を示す。

中国の渡航情報には、レベル3だった時期にもこの指標が付いていた。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた経緯によると、長年中国で拘束されていた米国人3人が解放された後、米政府は2024年11月に勧告をレベル2へ引き下げ、「D」も外した。今回の指標の復活は新たな入国制限ではなく、今後の拘束件数を予測する材料にもならない。

今年9月には、与野党の上院議員が「D」の復活とレベル3への再引き上げをともに求める決議案を提出した。渡航情報に反映されたのは前者だけで、後者は採用されていない。決議案は立法府からの提案であり、それ自体が渡航条件を変える命令ではない。

現在の渡航情報では、冒頭近くに危険指標が表示される。国務省は、拘束された人が何年も収監され、家族や米国の担当者との連絡が難しくなる恐れがあると警告する。出発前に家族や勤務先との連絡方法を決めておくよう勧めている。

米政府が「不当な拘束」と認定した二つの事案

国務省とVOAの報道によると、米政府はユウリン・チェン氏とミン・ジン氏の事案を正式に「不当な拘束」と認定している。この認定は拘束に対する米政府の立場を示す。一方、中国は不当な拘束が行われているとの見方を否定し、司法当局は法に従って行動していると主張する。

中国系米国人の地震学者チェン氏は、家族を訪ねた後、米国へ戻ろうとしていた2024年11月に拘束された。北朝鮮の核実験による地震波を調べる、米政府が公費で支援した公開研究に中国の研究者と参加していた。中国当局は2025年、同氏をスパイ活動で告発した。米政府は2026年3月、この事案を不当な拘束と認定した。双方の主張を記すことは、刑事事件の判断を意味しない。

ミャンマー出身の米国人研究者ミン・ジン氏は、ミャンマーの政治と対中関係を研究している。会議に出席するため中国・雲南省を訪れた後、6月に拘束された。中国側はスパイ活動と国家安全保障を脅かした疑いを示している。米国務省は8月20日、拘束を不当と認定した。VOAによれば、米政府は両事案を中国側に提起し、家族は今回の警告を歓迎した。

中国外務省はすでに2025年9月の声明で、「不当な拘束」という表現を退けていた。その声明は今週の渡航情報の変更より前のもので、10月19日の更新に対する新たな反論ではない。

出国しようとして初めて分かる危険も

注意喚起は拘束の可能性だけにとどまらない。米国務省によると、中国当局は公平で透明な手続きを経ずに出国禁止を課すことがある。本人が制限を知るのは、飛行機に搭乗しようとした時や国境を越えようとした時かもしれない。米政府は、商取引を巡る紛争の当事者、研究者、記者、米政府機関の現職・元職員などを、より厳しい審査を受け得る人々として挙げる。

中国系の米国民が受ける可能性のある扱いや、中国発行の書類で入国した場合に米国の領事支援を受けにくくなる問題も指摘している。これらの人が必ず拘束されるという意味ではない。米国による支援が制限されたり、遅れたりし得る状況を示したものだ。香港とマカオにはそれぞれ別の渡航情報があり、中国本土に加えられた「D」をそのまま当てはめることはできない。

渡航を決めた米国民に対し、国務省は最新の渡航情報を確認し、必要な場合は米国の旅券と有効な中国の査証で入国するよう勧める。家族や訪問先の組織とは、いつ、どの方法で無事を知らせるかも決めておくべきだとしている。さらに、無料の領事情報通知制度「STEP」への登録と、拘束された場合に米国大使館または総領事館へ連絡してもらうことを勧める。こうした準備は連絡を取りやすくするが、危険そのものをなくしたり、直ちに領事支援を受けられると保証したりするものではない。

今回の更新は、米政府がチェン氏とミン・ジン氏の解放を求めるなかで行われた。レベル2では渡航するかどうかの判断は各人に委ねられる。一方、追加された「D」は、法的な問題によって出国や適時の支援を受けることが妨げられた場合にどう対応するか、事前に考えるよう促している。